■釉薬にピンホールやブクが出来易い場合の対処方法
・胎土成形後の仕上げ表面を綺麗にし、細かな凹凸をなくす事で素地に釉薬が密着して
ピンホールが出来にくくなる。
・素地に石膏などの硫酸化合物が混入しないように注意する。
硫酸塩が分解してブクやピンホールが出来る。
・素地の中、釉薬の中の有機物を極力少なくし、素焼きを充分に行う事で避けられる。
有機物を含んだ原料を、か焼して使用する事も有効な手だてである。
・硫黄を多く含む素地粘土や釉薬をしない。
硫黄が分解して亜硫酸ガスがピンホールを発生させる。
・焼成温度が高すぎると、釉薬が煮えた状態となりピンホールやブクが発生するので、適 当な温度で熔けるように調整する。
・素焼き後の素地に埃や手の脂、有機物などが付着しているとピンホールやブクの原因と なるので、釉掛けの前に固く絞ったスポンジなどで素地をよく拭いて綺麗にする。
・粘性剤や糊剤などが添加された釉薬は、気泡が入らないように静かに攪拌作業する。
■釉薬が剥げ落ちたり、釉飛びが起きる場合の対処法
・素焼きした素地表面の粉や埃を固く絞ったスポンジなどで拭き取る。
また、その際に手の脂などが付着しないよう注意する。
・釉薬に糊剤や粘性剤などを添加する。
・調合している釉薬原料の中の、乾燥収縮の大きな原料をか焼して使用する。
蛙目やカオリンなどの粘土類の乾燥収縮が大きい。
・素地に混入している可溶性の塩類などが原因となって釉薬剥離が起きる場合があるので そのような素地の使用を避ける。
・釉薬が濃すぎると焼成途中の収縮で釉飛びが起きる場合があるので、比重計で濃さを調 整する。
・釉薬の使用原料に粘性が全くない調合の場合に釉剥げが起き易いので、粘性剤や糊剤な どを添加する事で防ぐ事が出来る。
・下絵付けの絵の具が影響して釉剥げが起きる場合がある。
下絵具が厚過ぎる場合や、絵具の粒子が粗過ぎる場合に起き易いので、濃度を調整する か、絵具を細かく摺って使用する。
また、生素地に絵付けした後に素焼きして使用する事で防げる場合もある。
・温度上昇が急激過ぎると釉に縮みや剥がれが出来る事がある。
この場合には、あぶり焚きに次時間を掛けて徐々に温度上昇させる。
・素焼き温度が低すぎると粘土の収縮が大きくなり釉薬が剥がれる事がある。
・素焼き温度が高すぎると、吸水性が失われて釉薬が剥がれることがある。
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